ハンディサイズのホワイトボード

読書会の中でUMLモデリングツールなど開発ツール関係の話題になったとき、ホワイトボードを使うテクニックのことを少し話しました。具体的には、A3サイズのホワイトボードを大体一人一枚くらいの枚数使用し、保存したいときにはコピー機でコピーしてしまうというテクニックです。あえて、強力なテクニックだと言っておきます。


ホワイトボードを使おうとするときに、書かれている内容を消していいかどうかの判断がつかないため、消すことが出来ずそのままになってしまい結局ホワイトボードが使えないということがよくあると思います。これでは活発な議論の媒体になるというホワイトボードの利点が半減してしまいます。そのような時、ホワイトボードを何らかの形で保存できれば消してしまえます。印刷機能が付いたホワイトボードもありますが、そうそう使えるものではありません。

そこでハンディサイズのホワイトボードを使うようにします。まずこれで場所の制約(たとえば会議室に行かなければ使えない等)から開放されます。さらに保存/印刷に関しては、オフィスには大概大きめのコピー機があるので、それでホワイトボードを丸ごとコピーしてしまいます(私はA3→A4の縮小コピーをして使っています)。これで誰の書いたものであれ気兼ねなく消して利用することが出来ます。誰かが書いたままで消していいかどうかわからないホワイトボードでも、コピーしてから消して使ってしまいます。議論の記録をとることにもなるので、重要な内容はコピーして保管しています。


ホワイトボードは大体一人一枚ぐらいの枚数用意するのでペアプロする場合にはペアで二枚使えることになります。テスト設計や対象オブジェクトたちのコラボレーション設計などはA3サイズのホワイトボードで議論するようにします。ホワイトボードを使い切り、かつ書いた内容にコピーする価値がありそうならコピーして消してしまいます。コピーする価値が無さそうなものはすぐ消して次に行ってしまうほうが効果的です。

ホワイトボードでの議論が効果的なのは先日百式MLの「優れたアイデアの創り方」で紹介されているように直接対決の形(you vs. me)から協力体制の形(Problem vs. Us)に持っていけるからだと思います。議論を視覚化し空中戦を避け、目の前の問題に対して協力して挑むという構図に(意識的にでも)持っていければ、活発な議論が可能になり問題解決への前進力を生むと考えています。


A3サイズのホワイトボードを私たちは次のような用途で使っています。

  • チーム内での設計セッション
  • ペア間での設計セッション
  • テストリスト(TDDで使用する)
  • テストデータのマトリックス
  • 状態遷移などのマトリックス
  • オンサイト顧客時の議事録
  • 会議のアジェンダ

ちなみに大き目のモデリング内容(アーキテクチャの検討など)は壁にかかっている大きいホワイトボードで行い、保存はデジカメで行っています。


まとめると、ホワイトボードコピーのテクニックが効果的な点は

  • 消していいかどうかわからなくてもコピーすれば消せてしまう。
  • ホワイトボードが足りなくなってもコピーして消してさらに使い続けられる。
  • 議論の記録になる

です。結果として、いつでもホワイトボードの強力な力を利用することが出来るようになります。


ハンディサイズのホワイトボードはあまり高くなく、コピー機は多分近くにあると思いますので、すぐに使い始められるテクニックだと思います。ぜひ試してみてください。