デブサミ一日目

コンテンツ委員として初めてのデブサミでした。ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。

くわしくは後で書く。


この二日間の記憶があるうちに、(私としては珍しく)主に「だ・である」調でログを記します(日記っぽい!)。記憶違いや漏れがあるかもしれませんがご了承下さい。

早起きして、D部屋の初日挨拶のために雅叙園に移動。
交差点のところで id:fkino に出会う。「明日はよろしくお願いします」と挨拶。
雅叙園への坂は相変わらず急で、この坂を下りているとデブサミだなぁという気分になるから不思議。

初日挨拶準備

萩原正義さんのコマの前の時間をお借りしてコンテンツ委員としての開会挨拶をして欲しいとのことで、ドキドキしながら時間を待つ。

私が話した分だけ萩原さんの時間が削られてしまうと直前まで思っていたので、ヤン・ウェンリーばりの短いスピーチにしようかなと思っていた。係の人に確認したら、私が話し終わったところから50分カウントするということが分かったので、安心し、かつもうちょっとちゃんと構成しようと思って手元のキーワードだけ書いたメモ書きを見ながら挨拶の構成をちょっと考える。

メインのキーワードを中心に主要な枝のみ押さえて、あとは壇上で即興で話す方向で心を決める。


初日挨拶

「つなぐ、つながる、そして未来へ」この言葉を中心に三つの話をした…と思う。


原稿とかを用意したわけではなく手ぶらで喋ったので、二日目が終わった時点で細部を忘れていたけれど、id:kagamihoge さんのログaqubi さんのログを読んでいたら段々思い出してきたので、復元してみます。

はじめに

「つなぐ、つながる、そして未来へ」というキーワードから三つの連想の枝を伸ばす。その三つとは、「人」「技術」「時代/世代」。

「人」

このイベントをきっかけに、人とつながる、ということを試してみてください。
例えば今日、セッションで隣の席に座っている人、コミュニティーブースに座っている人、セッション登壇者に話しかけてみてください。
デブサミから帰ったら、デブサミで得たことをだれかに話してみてください。自社の人でもいいし、友人でもいい。
そして情報を発信してみてください。blog を書いてみたり。mixi でもいいし、社内 blog でも良いです。
このデブサミをきっかけにして「つなぐ、つながる」ということを主体的に試みてください。

「技術」

つなぐ、つながる、という言葉は、技術についても言えます。クライアント/サーバや、クラウドOpenSocial といったネットワーク的な「つなぐ、つながる」もあるし、開発者チーム、インフラチーム、品質保証チーム、といった技術をまたいだチームのつながりもあります。
Developer Style トラックは、デブサミ最大の 41 セッションという数をそろえていて、その中には例えば LL / DB / セキュリティ / Test といった、さまざまな観点からの技術セッションが揃っています。自分の普段行っていることをさらに深めるために自分の得意分野を選択しても良いし、隣のチームがどんなことをしているのかを知るために、自分が知らない技術領域のセッションを聞いてみるのも良いでしょう。

「時代/世代」

そして、「つなぐ、つながる、そして未来へ」という言葉は時代や世代にもあてはまります。私自身、代打としてこの場に立っています。もともとは福井さん(id:afukui)が挨拶をする予定だったのですが、社用で朝に来れなくなってしまった福井さんの代わりに私が挨拶していること自体が、世代を超えた受け継ぎの一つの形といえるかもしれません。世代を超えるとは、先輩たちの思い、言葉、問題意識を受け継ぎ、(もちろん批判もしつつ)次の世代に伝えるということ。

福井さんから託されたのは、「若い世代に刺激を与えて欲しい」「技術の本質を知る」という言葉。この言葉はそのまま私に突き刺さります。Google で検索してコピペするごとく、技術の表層、最新技術の表層だけを捉えるのではなく、技術の背景、背後の問題意識を識り、自分で考えるということです。

技術の歴史は例えば「分散/集中」が一定の周期で振れているように、パラダイムが同じところを回っているように感じられても、同じところを回っているのではなく、螺旋を描いていると思います。少し前の技術と同じことをしているようでいて、前の周期で学んだことや、条件の違いなどが軌跡の違いを生み、技術の歴史を先に進める。

技術の先を見通すとは、過去の技術を学ぶということでもあります。今日デブサミに登壇しているひとは、技術の先を見通す人たちであり、それは過去から学んでいる故に先が見える人と言えます。そういう人たちの言葉に耳を傾け、問題意識を継承してほしいと思います。

そしてデブサミ 2010 へ

「そして未来へ」はデブサミ 2010 のことも含みます。昨今の世情にも負けず、このようなイベントが無料で開催されているのは偉業といえます。これを来年も保ちたい。だから来年も参加者として、コミュニティとして、またはスポンサーとして、あるいは登壇者として、何らかの形でデブサミに参加してください。



…と、こんなことを(きっと、しどろもどろに)話したはず…です。
このエントリをもって引き継ぎの御報告とさせていただきます > id:afukui さん


これにて、初日の大事な仕事がひとつ完了。


午前一コマ目

  • 【12-D-1】クラウドによるソフトウェア開発パラダイムの進化
  • 【12-E-1】品質で失敗しない大規模システムの開発

をスピーカー特権を使ってつまみ食い。

「品質で失敗しない大規模システムの開発」のなかで「アーキテクチャは、それを開発した組織の構造を模倣する(コンウェイの法則)」ような現象への言及(登壇者の浅井さんは法則名を口に出していない)があったときに、「ではアーキテクチャに組織の構造を合わせてしまえばいいのでは?」というようなニュアンスのことを仰っていて、不意を突かれた。ゴルディオスの結び目というか、コロンブスの卵というか。


午前二コマ目

Matz のセッションの前にものすごい行列が出来ている(予想された事態だけど)。
各コミュニティブースに人が揃いだしたので、いろいろ歩いて回る。
オブジェクト倶楽部、PFP、SKIP ブースにいたみなさんにご挨拶。
「【12-E-3】カードゲームでプロマネ疑似体験!」の登壇者であるやっとむこと安井さんのヒゲにスーツのたたずまいが格好良すぎてビビる。渋い。
SKIP ブースでは id:mat_aki さんに初めてご挨拶。
その後、咳さん(id:m_seki)を通路でお会いしたので、立ち話がてらかるく打ち合わせのようなものを開始。id:moroid:mat_aki とテストについて立ったまま議論。設計の可動域、間合い、カバレッジへの愛憎などについて。id:moro はキュウリが大好き。


昼ごはん

id:m_seki(toRuby からいらっしゃった)豆さんオーム社開発局の森田さんid:ogijun で通りに出る。昼時にバッティングして大失敗。この人数で入れる店がない。空いていたカレー屋さんでチキンカレーとナンを急いで食べて会場へ戻る。


午後一コマ目

かくたにさんの電波アワー(【12-A-3】時を超えたプログラミングの道への道)を最後列で堪能。会場の反応は"大ウケ"と"ポカーン"に分かれていたような気がする。おもしろい。
いつの間にか id:takahashim が最後列に現れ、正座しながら聞いていた(ように見えた。たぶん正座していた)。
録画していた感じはないので、ニコニコ動画に上がることも多分無いでしょう。動画が無いことに落胆する人が多そうだけど、このことを前向きに捉えれば、どこかで同じネタで登壇する可能性もある、ということではないでしょうか。


午後二コマ目

こみゅぷらすさんのブースを見に行くが、立ち見の人が多すぎて引き返す。それだけ注目度が高かったのでしょう。来年は一コマやっても面白そうだなと思いました。
講師控え室に戻って、講演(【12-B-5】ブラウザJavaScript高速化JITバトル最終決戦)の準備をされている omo さんにご挨拶。
そのあとで咳さんと控え室で軽く打ち合わせ。


午後三コマ目

omo さんの講演を凄く見に行きたかったのだけど、和服の着付けの時間と重なってしまった。無念。
ということで、レンタルした和服に着替える。着付けのプロの方二人がかりで着物を着せて貰った。「着方を覚えて、明日は自分で着てください」とのことだったけど、着付けが始まって10秒くらいで「これは明日一人で着るのは無理だ」と悟る。服の構造自体は恐れていたほど複雑ではないのだけど、レンタルゆえに丈の合わない着物を腹のあたりで微調整する仕組みがよくわからない。ちなみに着物は赤い着物に小豆色の帯、黒い上着とかなり派手目な組み合わせにした(せっかくレンタルなのだから派手なものにした)。


午後四コマ目

id:yojik の「【12-A-6】オブジェクト指向エクササイズのススメ」を見た。黒板のテーマのスライドがかわいい。後で聞いたら OO厨学校みたいなイメージだと言っていた。エクササイズが盛り上がってきたところで、後ろ髪を引かれるものの、控え室の様子を見るために途中で部屋を出て戻る。 id:secondlife が最後の準備をしていたので確認と挨拶。

ThoughtWorksアンソロジー ―アジャイルとオブジェクト指向によるソフトウェアイノベーション

ThoughtWorksアンソロジー ―アジャイルとオブジェクト指向によるソフトウェアイノベーション

午後五コマ目

「【12-C-7】株式会社はてなの開発戦略」を最前列で聴講。今年私が企画したコマの第一弾。会場が満員で凄く凄く嬉しい。
id:secondlife には「内容はテストで縛るつもりはあまりないので、はてなでの開発の仕組みに関して好きなことを喋ってほしい」とオファーしてありました。

ふたを開けてみると、前半は Git への移行に関する話、後半は開発の仕組み(アーキテクチャ、テスト、開発支援の仕組み)に関する話。私のお願いした意図に合致していて、これも嬉しかった。自分の聞きたい話を企画して聞ける幸せ。私は毎日使ってますが、 Git いいですよ Git。ブランチ/マージ超かんたん!

講演内容に関しては、id:rx7 さんの詳しいログもあるので割愛。本当に素晴らしい講演でした。

以下私が萌えたポイント

講演後に通路で id:secondlife に MVAC アーキテクチャのことを聞いたり、ほかにもいろいろ質問した。
通路でお会いした id:itkz さんと id:Ubuntu さんにも初めてご挨拶。うれしい。


デブサミパーティー出席

デブサミ初日の夜に開催されるパーティーに出席。id:secondlife との話が盛り上がりすぎて、そのあと控え室に戻って片付けてからパーティ会場に行ったらもう乾杯が終わっていた。というか食べ物もかなり減っていた。無念。
コンテンツ委員として壇上に上がってご挨拶した後は、会場を回って食事しながら様々な方とお話。コンテンツ委員の「アネゴ」こと上田雅美さんの和服がハマリすぎている


Matz & mput 懇親会

Matz & mput 懇親会に向かうために、和服を脱いで kakutani, id:yojik, id:secondlife とタクシーで新宿に移動。
道すがら id:secondlife にはてぶの閾値の使い方とかを教えて貰う。
あとは、評価に誰が書いたかという視点が入らないので、増田(はてな匿名ダイアリ)は真の文章力を試すのではないかとか、そんな話をした。

新宿での懇親会に合流。既に皆さん飲んでいる。ふと見回すと、現在のプロジェクトのメンバーが何人か参加していて嬉しく思う。
余興のジャンケンゲームは初戦で負けて涙目。まあ俺の運はこんなものだろう。
万葉のホープが社長の運を喰う現場を目撃。
id:Yoshioriデブサミの控え室で「和田さん絶対朝まで帰らない」と言われたが、電車できちんと帰った。java-ja とは違うのだよ、java-ja とは! (← java-ja で朝まで帰らない組筆頭格の立場を離れた発言)


帰宅

事務所兼寝部屋に着いたらもう日付が変わっている。
明日のパネルのプロットをちょっと考えて、シャワーを浴びて、寝る。何時に寝たかよく分からない。
寝る前にかくたにさんに明日のパネルのロガーをお願いした。即答で快諾してくれた。